小規模事業者持続化補助金の申請方法・補助額などをご紹介! 小規模事業者持続化補助金の申請方法・補助額などをご紹介!

小規模事業者持続化補助金の申請方法・補助額などをご紹介!

もっとお客様に来てほしいなあ。でも販売促進にお金をかける余裕もないし…。 そんなお悩みを解決するのにぴったりな補助金が、小規模事業者持続化補助金です。

補助金は返さなくていいお金です。国が中小企業を支援するために用意した予算ですから、堂々と使ってください。返さなくていいお金をどんどん使えという申し出も怪しげですが、国の中小企業支援策の実践部隊である中小企業診断士としては、せっかくの予算が頑張っている経営者様に使われないのは許されない!と思っているのです。

しかし「そんなの知らなかった」という経営者がまだまだ多いのが現実。そこで今回は、小規模事業者持続化補助金について基本的な情報をお伝えすることにします。

*被災地対応や感染症対策などのために、審査要件を緩めた特別枠が設けられていますが、申請の要件や期限、申請書のフォーマットなども違いますので、ご自分が申請しようとしている補助金が第何回の募集でどの枠なのか、お間違いのないようお願いします。「一般型」が基本ですので、この記事では「一般型」についてお伝えします。

これだけは理解しておこう!

1.物品などの購入額の一部を国や自治体から支援してもらえる制度
2.誰でも申請できるわけではない 
3.申請は郵送と電子申請がある
4.もらえるのは採択された申請者のみ
5.買ってよいものには制限がある
6.買うものはあらかじめ決めておく必要がある 
7.入金されるのは計画した事業が終わってから

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは、物品などの購入額の一部を国や自治体から支援してもらえる制度のことです。

制度の概要と申請先

小規模事業者持続化補助金は、経産省(中小企業庁)が出す補助金で、販路開拓などの補助により小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。

商工連合会または商工会議所が事務局(申請先)を担当します。

◆日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金事務局
◆都道府県商工会連合会 小規模事業者持続化補助金地方事務局

会社の所在地で管轄が決まりますので、選べません。

両者で申請書の様式が違っていますし、公募の時期や締め切りも違います。また、公募要領もそれぞれに発行されています。間違えると受理されないので、自社の所在地がどちらの管轄にあるか確認しておきましょう。

補助額と補助率

上限額:50万円
補助率:補助対象経費の2/3

誰でも申請できるわけではない

まず自社が小規模事業者かどうか、対象者の範囲に入っているか、そして行おうとしている事業が対象内かチェックします。

小規模事業者の定義

○商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)
…常時使用する従業員数5人以下

○サービス業のうち宿泊業・娯楽業
…常時使用する従業員数20人以下

○製造業その他
…常時使用する従業員数20人以下

対象者の範囲

補助対象となりうる者
・会社および会社に準ずる営利法人
(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)
・個人事業主(商工業者であること)
・一定の要件を満たした特定非営利活動法人

補助対象にならない者
・医師、歯科医師、助産師
・系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
・一般社団法人、公益社団法人
・一般財団法人、公益財団法人
・医療法人、宗教法人、学校法人
・農事組合法人、社会福祉法人
・申請時点で開業していない創業予定者(例えば既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
・任意団体
など

個人事業主・フリーランスの方は、開業届が出されていることが必要です。

対象となる事業

(1)地道な販路開拓など(生産性向上)の取り組み
(2)販路開拓と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取り組み

(2)の業務効率化は、販路開拓と合わせて行うことが条件です。業務効率化の取り組みだけでは、対象外となります。

2つの対象要件からわかる通り、この補助金は販路拡大がメインです。
通常ですと、チラシを印刷する・ホームページを作る・展示会に出るといった経費を載せる申請書が多いです。販路開拓の経費としてわかりやすいからでしょう。

申請は郵送と電子申請がある

■郵送
締め切り当日必着です。
電子申請は当日17時締め切りなので、ごっちゃになると、締め切り当日にポストに入れに行って、結局間に合わないという事故が起きます。お間違えのないように。というより、もっと余裕を持って投函しましょう!

■電子申請
事前にgBIZ IDの取得が必要です。
そのIDで補助金申請サイトjGrantsにログインし、申請手続きを行うためです。
gBIZ IDの取得には2週間かかる、とgBIZ IDのサイトには記載されています。
「数日で対応してくれた」という声も聞いていますが、印鑑証明の郵送などもありますので、早い対応には期待せず、公式サイトの記載を真に受けて、2週間前には申請しましょう。

もらえるのは採択された申請者のみ

どういった内容の申請が採択されたか、過去の採択事例を見ると参考になります。
採択一覧のリンクを載せておきます。

https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/index.php/saitaku/
-令和2年度補正予算 日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型> :: 採択者一覧

買ってよいものには制限がある

■補助対象となる経費は13種あります
①機械装置等費 
②広報費
③展示会等出展費
④旅費
⑤開発費
⑥資料購入費
⑦雑役務費
⑧借料
⑨専門家謝金
⑩専門家旅費
⑪設備処分費
⑫委託費
⑬外注費
中古品も認められますが、税抜き50万円未満のものに限られます。

対象となる経費

公募要領には次の例が出ています。

下線を引いておきましたが、「何のために?」が重要です。
集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア
生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫
○店舗改装・バリアフリー化工事
販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア
○ウェブサイト作成や更新
○チラシ・DM・カタログの外注や発送
○販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ)

対象とならない経費

こちらについても公募要領で紹介されています。

補助金を使って行うプロジェクト(補助事業と呼びます)に使われて、それ以外に使われないことが厳密に求められています。ほかにも使える・後で使えるなどと余分に経費を盛り込んでも、認められません。

汎用性の高いもの = パソコン・事務用プリンターなど
○単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない
会社のPRや営業活動のための看板・会社案内・求人広告
○チラシ等配布物は、実際に配布もしくは使用した数量分のみ
○実際に広報がなされる(情報が伝達され消費者等に認知される)のが補助事業期間終了後となる場合
○ウェブサイトのSEO対策等で効果や作業内容が不明確なもの

買うものはあらかじめ決める必要がある

お金をもらってから何を買うか考えることはできません。補助するに足る事業であるか審査するには、何を買うか、何のために必要なのか、申請段階で明確になっていないといけないからです。
「何のために何を買うか」は事業計画の鍵となる部分です。
販売促進やそれに伴う業務効率化に、効果があることを示す必要があります。効果を示すということは、それに先立つ課題の明確さも必要になります。

「我が社はこんなサービスでお客様の役に立っていますよ、でも販売促進に関してこんな課題があるんです、その解決のためにこの販促ツールが必要なんです」という説明です。人からお金をもらうのですから、ここは頑張って描かなくてはなりません。

事業計画書の重要項目として、事業展開後の収支予測モデルを作る必要もあります。財務モデルや予想損益計算書などの作成に慣れていない方は、この辺りの数値的な証明を難しく感じるようです。

入金されるのは計画した事業が終わってから

申請から交付までの手順は大きく4つの段階に分けられます。

▼事業計画書と申請書の作成・応募まで
▼採択・不採択の通知
▼事業実施と完了報告
▼補助金請求

お金が入ってくるのは完了報告の後ですから、それまでの資金繰りは計画しておく必要があります。

4つの段階の中で最も重要なのが、事業計画書と申請書の作成です。申請しなくてはその先がありませんから、当然ですね。

ここでできの良い事業計画書を作っておけば採択の目処もつき、実施段階の事業計画も明確になって、事業はスムーズに流れます。
間違いなく申請するために、期限を確認しておきましょう。

小規模事業者持続化補助金 採択ケース実例レポート

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基本情報を見て「我が社に該当するかな?」と見当をつけていただき、「行けそうだな」と思ったら、次の記事に進んでください。次の記事では、実際の申請がどのように進むのか、実例を踏まえて情報開示していきたいと思います。

補助金は返さなくていいお金ですから、誰もがほしがります。しかし元は税金ですから、「ちょーだい!」「ハイよ!」と適当にばらまくわけにはいきません。さまざまな条件を設けて、補助金を与えるに足る企業であるか、支援する価値のある事業であるかチェックしています。

また、補助金を出すべき企業・事業であることを第三者にわかるように、書面で証拠立てることも求めています。これらの手続きが面倒なんです。初めて見た経営者様の中には「こんなの無理!」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。

しかしそれではもったいない。そこで、実際の申請がどのように進むのか、実例を踏まえて情報開示してまいります。公募要領には書いていない実際のスケジュール感や作業量などをお伝えしますので、全体幹を掴んでいただいて「なるほど、そんな感じならできそうだな」と、意識を新たにしていただければ嬉しいです。

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